湿疹・皮膚炎

新生児~乳児湿疹

首・腋窩・背部・陰部等、紅斑・ジュクジュク・かゆみが出現します。時には細菌感染し膿が出てくることもあります。夜泣き・食欲低下もみられることがあります。部位によってですが、汗・肌着の縫い目・洗剤・おしり拭き等が原因となることがあります。アトピー性皮膚炎との鑑別が重要です。

皮膚科専門医受診をお勧めします。

アトピー性皮膚炎

幼小児期より発症し、適切な治療を行えば思春期ころまでに軽快します。それ以降続く成人型は難治です。激しいかゆみと、紅斑等の皮疹よりQOLの低下をきたします。ストレス・感染・汗・ハウスダスト等悪化因子は個々の患者さまによって様々です。
近年、生物学的製剤(注射)、皮膚のバリアーを修復する外用薬も登場しました。
信頼できる皮膚科を見つけ、定期的な通院で辛さを改善していきましょう。

皮脂欠乏性湿疹

4~50代以降で、冬になると四肢がカサカサしてきて、やがてかゆみと発疹を繰り返します。保湿剤外用等で早めの予防と、紅斑・かゆみが出現してしまったら早めの治療を行いましょう。

手湿疹(手荒れ)

一般に秋から冬に多く、春になると改善することが多いです。美容師さん等職業によっては通年性に見られます。いずれも、アルコール消毒・薬用石鹸・ひっかき等が悪化因子となります。保湿剤等で悪化を抑えたうえで、かゆみ止めの内服と、症状に合った強さの外用剤の塗分けを行います。

顔の肌荒れ

顔・首などに、吹き出物や、かゆみを伴った紅斑が出現します。時には水疱・膿疱が出現することもあります。花粉・ハウスダスト等で起こりますが、マスク着用による蒸れ・汗・皮脂の刺激でも起こります。化粧水や、日焼け止めはかえって症状を悪化させることもあります。治療が遅れると、色素沈着をきたすこともあります。早めの内服・外用でしっかり治しましょう。

陰部湿疹

陰部または鼠径部に見られます。蒸れとひっかきにより、慢性化することが多いです。水虫(白癬、カンジダ)で起こる場合もありますが、簡単な検査ですぐわかります。しっかり診断し治療することが大切です。

ウイルス、細菌による疾患

伝染性軟属腫(水いぼ)

ウイルス性の疾患で、数ミリほどの丘疹が体の一部または広範囲に出現し、時に強いかゆみを伴います。幼稚園・保育園等集団生活により感染し、数年で治ります。肌が弱い方は、掻き壊しによって飛び火を引き起こすこともあります。そのような場合は、自然治癒を待たずに、あらかじめ麻酔テープ等で痛みを軽減させたうえで、切除するとよいと思います。

伝染性膿痂疹(飛び火)

皮膚のひっかき傷・ケガの傷等に、黄色ブドウ球菌等の細菌が感染することにより起こります。全身に水疱・びらん・膿疱が出現します。ほかの人にも感染します。

夏場、小児で湿疹等皮膚疾患ある方に発症しやすいです。局所の消毒と、抗生物質の内服で1週間ほどで治ります。発症したら早めに皮膚科受診し加療することが大切です。日ごろの皮膚疾患のコントロールが予防となります。

趾間・足底等に水疱・びらん・紅斑が出現します。かゆみはないこともあります。爪の場合は、白くなったり、ボロボロと崩れてくることもあります。
まず、しっかり検査をして診断します。足白癬は、生活面の注意とちょっとした外用のコツがありますが、しっかり加療すれば数か月で治ります。爪白癬は難治です。まず、1~2年間外用療法を行います。改善しない場合は、肝機能障害等なければ内服療法を行う場合もあります。

帯状疱疹

子供のころにかかった水痘(水ぼうそう)の休眠中のウイルスが、ストレス・加齢等をきっかけに再燃して起こります。水痘と違い、全身ではなく身体の片則にチクチク・違和感が生じ、やがて紅斑・水疱が出てきます。神経の走行に沿って、帯状に発症するので、この名前が付きました。若い方はかゆみが強いのですが、年齢が高くなればなるほど、痛みが強くなります。顔面に起こると、顔面神経麻痺・難聴が起こすことあります。陰部の場合は、排尿障害を起こすこともあります。また、治療が遅れると、患部にシミをきたすこともあります。抗ウイルス薬の内服をできるだけ早く開始することでそれらを防ぎます。また、重症化する場合は、内臓悪性腫瘍との関連も注意したほうが良いでしょう。

HS

単純疱疹ウイルスの感染による。幼少期に家族間でタオル等を通して伝染することが多い。直接、または間接的に接触することにより伝染。1度感染すると終生死滅せず、疲労、外傷・紫外線等によって口腔内、口唇、陰部等伝染部位に再燃し、痛みを伴った紅斑・水疱・アフタが出現。1~2週間で治癒しますが、抗ウイルス薬の内服で症状の軽減ができます。

熱傷

深達度によって、1~3度に分類されています。治療は感染を予防して皮膚の上皮化を待ちます。深さにもよりますが、熱湯、アイロン、ナベ等の場合2~3週ほどの皮膚科通院加療で治ります。
湯タンポの熱傷は3度の場合が多く、上皮化までに、数か月かかることもあります。また、治っても色素沈着することもあります。

なお、ガス爆発、火炎による顔面熱傷や、体幹部でも広範囲囲の場合は入院設備のある医療機関の受診をしてください。

蕁麻疹

激しいかゆみを伴った膨疹といわれる盛り上がった紅斑が出現し、数時間で消失します。これを繰り返して、時に呼吸苦を伴うこともあります。これが1か月以上続くものを慢性蕁麻疹といいます。薬剤、ストレス等様々なものが原因となります。抗ヒスタミン薬の内服で症状を抑えながら、詳しい問診で原因を見つけ出すことが必要です。

鶏眼・胼胝(魚の目・タコ)

足底や趾間に角化がみられ、歩行時等に痛みが出現します。我慢しているとやがて腰痛等きたすことがあります。よく似た病変で、尋常性疣贅と言ってウイルス性のイボがあります。これは伝染性の疾患で、接触により体のどの部位にも生じます。皮膚科専門医を受診し、しっかり鑑別することが大事です。

円形脱毛症

10~30ミリの円形の脱毛斑。後頭部などでは理髪店・美容院で指摘されて発見されることが多いです。原因不明ですが、20%ほどでストレスが原因で発症し、繰り返す方も見られます。単発型は、適切な治療で数か月で治ります。長く放置した場合は、治らない場合もあります。当院では、内服、外用、患部の刺激等行っております。

早めに治療し、治しましょう。